【厚生年金保険法】3歳未満の子を養育する場合の標準報酬月額の特例|申出は事業主を経由する?

厚生年金保険法

3歳未満の子を養育する場合、一定の要件を満たすと、養育期間中の標準報酬月額が低下しても、将来の年金額を計算する際に従前の標準報酬月額を基準とする特例があります。

この問題では、その特例を利用するための**「申出方法」と「厚生年金被保険者の種別」**の組み合わせが問われています。

この記事で分かること

  • 3歳未満の子を養育する場合の標準報酬月額の特例
  • 特例の申出を事業主経由で行う被保険者
  • 事業主を経由せずに申出を行う被保険者
  • 厚生年金被保険者の4つの種別
  • 試験で覚えておきたい申出方法の組み合わせ

問題

厚生年金保険法第26条に規定する3歳に満たない子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例について、次の記述は正しいでしょうか。

本特例についての実施機関に対する申出は、第1号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者はその使用される事業所の事業主を経由して行い、第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者は事業主を経由せずに行う。


答え

正しい


ポイント

この問題で最も重要なのは、次の組み合わせです。

厚生年金被保険者申出方法
第1号事業主を経由
第2号事業主を経由しない
第3号事業主を経由しない
第4号事業主を経由

つまり、

「1・4は事業主経由、2・3は事業主を経由しない」

と覚えておきましょう。


解説

3歳未満の子を養育する場合の標準報酬月額の特例とは?

3歳未満の子を養育している期間に、勤務時間の短縮などによって報酬が低下すると、標準報酬月額も低下する場合があります。

この場合、将来受け取る年金額にも影響する可能性があります。

そこで、一定の要件を満たす場合には、養育期間中の標準報酬月額が養育開始月の前月の標準報酬月額を下回るときに、年金額の計算上、従前の標準報酬月額を基準とする特例が設けられています。

日本年金機構によると、この特例の対象となる期間は、原則として3歳未満の子の養育開始月から、その子が3歳に達する日の属する月の前月までです。


申出方法は厚生年金被保険者の種別によって異なる

ここが今回の問題のポイントです。

すべての厚生年金被保険者が同じ方法で申出を行うわけではありません。

第1号・第4号厚生年金被保険者

第1号厚生年金被保険者と第4号厚生年金被保険者については、原則としてその使用される事業所の事業主を経由して申出を行います。

つまり、

第1号・第4号 → 事業主を経由

です。

日本年金機構も、養育期間標準報酬月額特例申出書について、被保険者が事業主を経由して提出することを案内しています。

第2号・第3号厚生年金被保険者

一方、第2号厚生年金被保険者と第3号厚生年金被保険者については、事業主を経由せずに申出を行います。

したがって、

第2号・第3号 → 事業主を経由しない

となります。


厚生年金被保険者の4つの種別

申出方法と一緒に、4種類の被保険者も整理しておきましょう。

種別主な対象
第1号厚生年金被保険者第2号~第4号に該当しない厚生年金保険の被保険者
第2号厚生年金被保険者国家公務員共済組合の組合員である厚生年金保険の被保険者
第3号厚生年金被保険者地方公務員共済組合の組合員である厚生年金保険の被保険者
第4号厚生年金被保険者私立学校教職員共済制度の加入者である厚生年金保険の被保険者

試験対策としては、被保険者の種類だけを覚えるのではなく、申出方法までセットで覚えるのがおすすめです。

覚え方

1・4 → 事業主経由
2・3 → 事業主を経由しない

この組み合わせを押さえておきましょう。


この問題で間違えやすいポイント

「厚生年金の被保険者が行う申出だから、基本的に事業主を経由する」と考えてしまうと間違えやすいところです。

重要なのは、被保険者の種別によって申出方法が異なるという点です。

例えば、

「第2号厚生年金被保険者は、事業主を経由して申出を行う。」

と出題された場合は誤りです。

正しくは、

第2号・第3号 → 事業主を経由しない

です。


試験対策|ここだけ覚える

この問題については、まず次の1行を覚えておきましょう。

1・4は事業主経由、2・3は事業主を経由しない。

被保険者の種別と申出方法をセットで覚えておけば、このタイプの正誤問題に対応しやすくなります。


まとめ

3歳未満の子を養育する場合の標準報酬月額の特例では、実施機関への申出方法が厚生年金被保険者の種別によって異なります。

  • 第1号厚生年金被保険者 → 事業主を経由
  • 第2号厚生年金被保険者 → 事業主を経由しない
  • 第3号厚生年金被保険者 → 事業主を経由しない
  • 第4号厚生年金被保険者 → 事業主を経由

したがって、問題文の記述は正しいです。

1・4は事業主経由、2・3は事業主を経由しない。

この組み合わせは、試験対策としてしっかり押さえておきましょう。


参考・根拠

厚生年金保険法第26条

日本年金機構「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」

日本年金機構「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書の申し出不備や誤りの多い事例」