問題
経過的加算額の計算においては、第3種被保険者期間がある場合、当該被保険者期間に係る特例が適用され、当該被保険者期間は必ず3分の4倍又は5分の6倍される。
答え
誤り
ポイントは、「必ず」という部分です。
第3種被保険者期間について、3分の4や5分の6とする特例が登場する場面はありますが、経過的加算額の計算におけるすべての被保険者期間について、この特例が適用されるわけではありません。
特に重要なのは、
- 定額部分に相当する額の計算
- 老齢基礎年金相当額の計算
を分けて考えることです。
この記事で分かること
- 経過的加算額がどのような考え方で計算されるのか
- 第3種被保険者期間の「3分の4」「5分の6」の特例がどこで登場するのか
- なぜ「必ず3分の4倍又は5分の6倍される」が誤りなのか
- 社労士試験で間違えやすいポイント
経過的加算額とは?
経過的加算額は、老齢厚生年金について、一定の計算によって生じる差額を加算するものです。
試験対策では、まず大まかなイメージとして、
経過的加算額
= 定額部分に相当する額 − 老齢基礎年金相当額
という形で整理しておくと理解しやすくなります。
ここで重要なのが、この2つの計算を同じものとして考えないことです。
第3種被保険者期間についても、どちらの計算に含まれる期間なのかによって、特例の扱いが異なります。
第3種被保険者期間の「3分の4」「5分の6」がポイント
社労士試験では、第3種被保険者期間について、
「3分の4」
「5分の6」
という数字が登場することがあります。
そのため、
第3種被保険者期間があれば、3分の4倍または5分の6倍する
と覚えてしまいやすいところです。
しかし、今回の問題はそこを狙っています。
重要なのは、
「第3種被保険者期間だから、どの計算でも必ず3分の4・5分の6になるわけではない」
という点です。
経過的加算の計算は「どの部分の計算か」を分ける
今回の問題を理解するためには、経過的加算の計算を一つのまとまりとして覚えるのではなく、次のように分けて考えることが重要です。
① 定額部分に相当する額
こちらの計算では、第3種被保険者期間について一定の特例が適用される場合があります。
そのため、第3種被保険者期間について、
3分の4倍
または
5分の6倍
といった数字が関係してきます。
② 老齢基礎年金相当額
一方、経過的加算額を計算する際の老齢基礎年金相当額については、同じように第3種被保険者期間の特例を適用して計算するわけではありません。
ここが今回の問題の重要ポイントです。
老齢基礎年金相当額の計算では、一定の期間について、第3種被保険者期間に係る特例を適用しないものとして計算することになっています。
したがって、
第3種被保険者期間がある
↓
必ず3分の4倍・5分の6倍する
という理解では不十分です。
「3分の4」「5分の6」が出てきたら、どこに使うのかを確認
社労士試験では、数字そのものを知っているだけではなく、
「その数字がどの計算に使われるのか」
まで押さえておく必要があります。
今回の問題を整理すると、次のようになります。
| 計算する部分 | 第3種被保険者期間の特例 |
|---|---|
| 定額部分に相当する額 | 適用される場合がある |
| 老齢基礎年金相当額 | 特例を適用しない |
| 経過的加算全体 | 一律に3/4・5/6とするわけではない |
この違いを押さえておけば、今回のような「必ず」という表現にも対応しやすくなります。
なぜこの問題は間違えやすい?
この問題では、
「第3種被保険者期間」
「3分の4」
「5分の6」
という、実際に関連するキーワードが並んでいます。
そのため、
第3種被保険者期間があるなら、3分の4か5分の6を掛ける
と考えてしまいがちです。
しかし、試験問題では、このように正しい知識を組み合わせて、一部だけ誤った内容にすることがあります。
今回の誤りは、3分の4や5分の6という数字そのものではありません。
「必ず」特例が適用される
という部分が誤りです。
「必ず」という言葉に注意
社労士試験では、
- 必ず
- すべて
- 常に
- 一律に
- 例外なく
といった表現が入っている場合は、注意して問題文を読む必要があります。
もちろん、これらの言葉が入っていれば必ず誤りというわけではありません。
しかし、今回のように一定の場面では適用されるルールを、すべての場面に広げてしまっている肢では、こうした表現が誤りのポイントになります。
今回も、
第3種被保険者期間がある
= 必ず3分の4倍・5分の6倍
ではありません。
「どの計算において、その特例が適用されるのか」
を確認することが大切です。
社労士試験では「数字」だけでなく「数字の使い場所」を覚える
この論点でありがちな失敗が、
「第3種=3/4・5/6」
だけを暗記してしまうことです。
もちろん数字を覚えることも必要ですが、それだけでは今回のような問題に対応できません。
重要なのは、
第3種被保険者期間の特例
→ 3分の4・5分の6
という知識に加えて、
「どの計算で適用されるのか」
までセットで覚えることです。
つまり、
数字を覚える
↓
その数字が登場する計算を覚える
↓
適用されない計算も確認する
という順番で整理すると、知識が安定します。
今回の問題を一言で整理すると
今回の問題は、次のように覚えておきましょう。
第3種被保険者期間の特例として3分の4・5分の6が登場するが、経過的加算の計算で常に適用されるわけではない。
特に、
定額部分に相当する額の計算
と
老齢基礎年金相当額の計算
を分けて考えることがポイントです。
試験対策まとめ
今回の論点で押さえておきたいのは、次の3点です。
① 「3分の4」「5分の6」という数字を覚える
第3種被保険者期間に関する特例として、3分の4や5分の6という数字が登場します。
② ただし「必ず」ではない
第3種被保険者期間があるからといって、経過的加算の計算において一律にこの特例を適用するわけではありません。
③ 計算する部分を分けて考える
特に、
定額部分に相当する額
と
老齢基礎年金相当額
を区別することが重要です。
まとめ
今回の問題は、「第3種被保険者期間=必ず3分の4・5分の6」ではないという点がポイントです。
第3種被保険者期間については、一定の計算で3分の4や5分の6とする特例が関係します。
一方で、経過的加算の計算における老齢基礎年金相当額については、この特例を適用して計算するわけではありません。
したがって、
「第3種被保険者期間がある場合、当該被保険者期間は必ず3分の4倍又は5分の6倍される」
という問題文は誤りです。
この論点は、単純に「3/4」「5/6」という数字だけを暗記するのではなく、
「どの計算に適用されるのか」
までセットで覚えておきましょう。
【社労士試験の暗記ポイント】
第3種被保険者期間
→ 3分の4・5分の6の特例が登場
→ ただし「必ず」ではない
→ 経過的加算では、定額部分と老齢基礎年金相当額を分けて考える
出典:昭和60年法律第34号附則第59条第2項



