【雇用保険】技能実習生は雇用保険の被保険者になる?講習期間の取扱い|社労士試験

雇用保険

外国人の技能実習生は、雇用保険の被保険者になるのでしょうか。

技能実習生だからといって、雇用保険の対象外になるわけではありません。

原則として、受入先の事業主との間に雇用関係があるため、雇用保険の被保険者となります。

ただし、入国当初に行われる「雇用契約に基づかない講習」の期間については、被保険者とならない取扱いがあります。

今回は、この原則と例外を整理します。

この記事で分かること

  • 技能実習生が雇用保険の被保険者となる理由
  • 入国当初の講習期間の取扱い
  • 「講習ならすべて対象外」ではない理由
  • 社労士試験で間違えやすいポイント

問題

日本の民間企業等に技能実習生(在留資格「技能実習1号イ」、「技能実習1号ロ」、「技能実習2号イ」及び「技能実習2号ロ」の活動に従事する者)として受け入れられ、講習を経て技能等の修得をする活動を行う者は被保険者とならない。

答え

誤り

技能実習生は、原則として雇用保険の被保険者となります。

したがって、

「技能実習生は被保険者とならない」

とする問題文が誤りです。

ポイント

技能実習生について重要なのは、

技能実習生であるかどうかではなく、受入先の事業主との間に雇用関係があるか

という点です。

厚生労働省の雇用保険業務取扱要領では、日本の民間企業等に技能実習生として受け入れられ、技能等の修得をする活動を行う場合、受入先の事業主と雇用関係にあるため、雇用保険の被保険者となるとされています。

したがって、

技能実習生 → 原則として被保険者

と覚えておきましょう。

技能実習生はなぜ被保険者になる?

雇用保険では、適用事業に雇用される労働者について、一定の適用除外に該当しない限り被保険者となります。

技能実習生についても、受入先の事業主との間に雇用関係がある場合には、雇用保険が適用されます。

つまり、

外国人だから対象外

でも、

技能実習生だから対象外

でもありません。

雇用関係があることが重要です。

厚生労働省も、技能実習生について「受入れ企業との間に雇用関係があるため雇用保険の適用を受ける」としています。

注意:「講習期間」はすべて対象外ではない

ここがこの問題の重要ポイントです。

技能実習生には、入国当初に講習が行われる場合があります。

しかし、

「講習=雇用保険の被保険者にならない」

と覚えるのは誤りです。

問題となるのは、

入国当初に行われる、雇用契約に基づかない講習

です。

このような講習期間については、受入先の事業主との雇用関係がないため、雇用保険の被保険者とはなりません。

一方、雇用契約に基づいて講習を行う場合には、取扱いが異なります。

厚生労働省の通達でも、技能実習生について、雇用契約に基づく講習と雇用契約に基づかない講習を区別しています。

原則と例外を整理

試験対策としては、次のように整理すると分かりやすいです。

ケース雇用保険
技能実習生として実習を行い、受入先事業主と雇用関係がある被保険者となる
入国当初の雇用契約に基づかない講習被保険者とならない

ポイントは、

「技能実習生」ではなく「雇用関係の有無」で判断する

ことです。

「講習」の範囲にも注意

ここでいう講習は、何でも含まれるわけではありません。

厚生労働省の取扱いでは、入国当初に行われる雇用契約に基づかない講習は、座学(見学を含む)によって実施されるものとされています。

一方、実習実施期間中の工場の生産ラインなどで行われる機械操作教育や安全衛生教育は、この講習には含まれません。

そのため、

「講習」という言葉が出てきたから被保険者ではない

と判断するのは危険です。

雇用契約に基づかない入国当初の講習なのか

まで確認しましょう。

本問が誤りとなる理由

問題文では、

日本の民間企業等に技能実習生として受け入れられ、講習を経て技能等の修得をする活動を行う者は被保険者とならない。

とされています。

しかし、技能実習生は原則として、受入先の事業主との雇用関係があるため雇用保険の被保険者となります。

したがって、

「被保険者とならない」

と一律にしている点が誤りです。

ただし、入国当初の雇用契約に基づかない講習期間については、被保険者とならない取扱いがあります。

試験で注意したいひっかけ

この問題では、次の2つを混同しないようにしましょう。

誤った覚え方

技能実習生 → 被保険者ではない

正しい整理

技能実習生 → 原則として被保険者

ただし、

入国当初の雇用契約に基づかない講習 → 被保険者ではない

です。

また、

「講習期間=すべて被保険者ではない」

という理解も誤りです。

「雇用契約に基づかない」という条件までセットで覚えましょう。

この問題から覚えておきたいこと

この問題は、次の一文で覚えるのがおすすめです。

技能実習生は原則として被保険者。ただし、入国当初の雇用契約に基づかない講習期間は被保険者とならない。

特に、

技能実習生=被保険者

と

雇用契約に基づかない入国当初の講習=対象外

の2段階で覚えると、問題文のひっかけにも対応しやすくなります。

まとめ

技能実習生は、受入先の事業主との間に雇用関係があるため、原則として雇用保険の被保険者となります。

ただし、入国当初に雇用契約に基づかない講習が行われる場合、その講習期間については被保険者となりません。

したがって、社労士試験では、

技能実習生 → 原則、被保険者

雇用契約に基づかない入国当初の講習 → 被保険者とならない

と整理しておきましょう。

暗記ポイント

「技能実習生=対象外」ではない

「雇用契約に基づかない入国当初の講習」が例外

ここを押さえておけばOKです。

参考・根拠

厚生労働省「技能実習生の労働条件の確保について」

厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」

厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き」